効率化の影で失われるもの
今日のブログは、私(ヒロス)の社交ダンスから学んだ視点も交えながら、ヒロスのビジネスサロンのカテゴリーから、組織運営における「目の数」という視点について書いていきたいと思います。
ビジネスの現場で、組織が抱える閉塞感を取り除き、チームを活性化させるヒントになれば幸いです。
私ヒロスが感じる身の回りの組織では、役割、担当、責任者を明確化し、業務をマニュアル化する傾向が強まっています。
特に、大企業や複雑なプロジェクトにおいては、この傾向が強いと感じています。
その目的は、業務の属人化を防ぎ、効率化・生産性向上を図ることだと思います。
もちろん、担当者の離職や有給休暇取得の促進のためには、役割分担とその業務内容の明確化は不可欠だと思います。なぜなら、業務の専門化や細分化が進み、個々の社員の担当範囲が限定的になりやすいからです。
しかし、このような効率化を追求するだけでは、働く人一人ひとりの視野が狭くなり、チーム全体のモチベーション低下、個人の成長機会の損失、さらには、コミュニケーションや情報の共有化不足から業務全体のパフォーマンス低下につながるリスクを抱えていること、もしくは、低下しているようにも感じられます。
「目の数」が減っている?:最近の組織が抱える課題
「目の数」が減っているように感じます。
これは、最近の組織が抱える課題を私(ヒロス)が感じたままに表現したものです。
ここで言う「目の数」とは、単に人数を指す意味でもあり、気づきの視点の数でもあります。
一人ひとりが、個々の役割に集中するあまり、周囲への関心が薄れてしまっていると感じます。
これは、「木を見て森を見ず」の状態と言えるかもしれませんね。
担当外の部分に目を向け、コメントしたことで、不要な摩擦や混乱を招くような、そんな時代なのかもしれません。
情報共有や助け合いが不足し、組織全体として、新しい「気づき」が生まれにくい。
このような状況は、多くの職場で見られる現象ではないでしょうか。
まるで、一人ひとりが、自分の担当業務だけを黙々とこなしている、機械の部品ような、そんな状態です。
「目の数」を増やすためのヒント
では、どうすれば、組織全体の「観察力」「洞察力」「協働力」を高め、「目の数」を増やすことができるのでしょうか。
そのために管理職である部長クラスがどう行動したらいいのか、社交ダンスやビジネスから学んだヒロス流考え方を書いていきます。
特に、部長クラスには、チーム全体の「目の数」を増やすための旗振り役としての役割があります。
1. 役割の明確化+α:チーム全体への意識
役割の明確化は必要ですが、それに加えて、チームメンバー全員が、自分以外の他の個々の業務がどのように行われているのかを、やさしい目で少しでも気にかけることを意識する職場の文化づくりが大切だと思います。
そのために、まず、職場のメンバーの業務内容を相互に理解する機会を設けることも必要だと思います。
自分の業務だけでなく、隣の人の業務にも、ほんの少しだけ関心を向けてみる。
それだけでも、チーム全体の一体感が向上し、視野が広がるはずです。
そして、お互いの業務への理解が深まることで、連携もスムーズになるという、この意識は、自分の近くの人ほど、大切に優しく接するというこれまでの、ヒロス流考え方と同じです。
家で不愛想で、それなのに外出先で”他人”に会えば、笑顔を振りまく。それでは、困ります。ダメです。本末転倒です。
まずは、家族の前で、自分の笑顔を保てる能力や夫婦親子の人間関係を良くするテクニックを身に付けることが、まず、第一に鍛えるべき能力だと思います。
職場でのコミュニケーションや人間関係のスキルを磨く前に、まずは、家庭でたっぷりとトレーニングして、家で家族間でうまくできたら、職場で挑戦するという順番が重要です。
なぜなら、家庭は、異なる価値観や意見を持つ人々が共存し、忖度ないストレートな言動が飛び交う「小さくても、厳しい社会」だからです。
管理職になる人にとって家庭は、いわば人間関係の「基礎トレーニング」の場と考えるべきです。
2. 情報の共有と透明性:オープンな組織文化
チャットツールなどを活用し、情報をリアルタイムで共有すべきです。それにより、業務の「見える化」を促進できます。場合によっては、目で見る管理ができる場合もあると思います。
もちろんデジタルツールをいくら使っても越えられない部分があるので、直接の会話は、重要だと思います。
業務の進捗状況だけでなく、その日の仲間の見た目の状況、個人の悩みや課題などもオープンに共有することで、お互いをより深く理解し合うことができ、助け合いの精神が生まれると思います。
3. 感謝を伝え合う:良好な人間関係づくり
「ありがとう」という感謝の気持ちを言葉にして伝え合う文化を作るべきです。
感謝の言葉は、良好な人間関係を構築し、協力的な組織の雰囲気を作る上で、非常に重要なことです。小さな場面でも、「ありがとう」を口に出して、相手に伝えること。
そして、何よりも、安心して話せ、安心して聞ける人間関係を築くことが重要です。そのような関係性を作れてこそ、初めて「目の数」は増えていくと思います。
4. 自由な発想と建設的な議論ができる環境づくり
それぞれの案件に多くの目が向き、自由な発想や建設的な議論を促進することで、チーム全体の活性化へとつながります。
様々な視点やアイデア、全く視点が違う一見変な意見までもが飛び交うことで、これまでになかった斬新な発想や、革新的な解決策が生まれると思います。
「そんなことは、わかっている」「突拍子もないことを言うな」そんな言葉を管理職や周りの人が言わず、幅広い発言が言える人間関係を作るべきです。
テレワーク思考からの脱却
「自分の仕事だけをこなせばいい」「成果さえ出せばいい」という、個人主義的な働き方は、短期的な成果は出せても、長期的に見れば部署内の活力を奪ってしまうと思います。少し寂しい状況ですね。
そのようなテレワーク的な思考から脱却し、もっと多くの「目」を持つように意識することで、ひとつの部署はより強く、そしてより働きやすい場所になるはずです。
「目の数」が増えれば、それだけ多くの課題に気づき、解決への糸口も見つかりやすくなるはずです。
不安や悩みを一人で抱え込まず、仲間と共有し、助け合いながら、より良い組織を一緒に作っていこうね、というメッセージを部長クラスが発信し続けることが重要です。部長の発言を素直に聞いてもらえる人間関係を事前に作っておくことは、非常に重要なポイントです。
個々の業務でも、組織に入ってくる様々な案件に対して、さまざまな立場の人の、「目の数」を増やすことです。
このちょっとした変化が、組織を大きく変える力になるかもしれません。そして、組織の変化は、働く一人ひとりの変化と成長にもつながるはずです。
業務能力を発揮するためには、個々の人間力、人間性の向上が必須です。それを鍛えるための体験と学習を怠らないことが重要なことです。
まずは、部長クラスが、見本となるように、いい人、理想の人、哲学をもち、公平公正に人と接する見本を見せた言動、しぐさを演じることから始めることが大切だと思います。
社交ダンスでも、ビジネスでも、リードするリーダーが、フォローする相手や部下以上に、リーダーが相手に気を遣うべきだと思います。そうすることで、指示するタイミング、やり方、伝え方が、上手になると思います。
社交ダンスの上達でも、日常生活やビジネスの場面でも、カップルとしての上達、個人の成長も、周りからの多くの目から生まれた、小さくたくさんのアドバイスが必要だと思います。
そして、多くの目からもらったアドバイスを素直に受け入れることが、上達と成長につながります。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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