踊りの基本は「耳」から。音楽の聴き方がダンスを変える
社交ダンスを心から楽しむためには、動くことやテクニックを表現すること、美しい姿を表現することに意識が向きがちです。
もちろんそれらも大切ですが、その前に、あるいはそれらと同じくらい、「音楽の聴き方」を意識することが、実はとても重要です。
カウントやテンポに合わせて踊るだけでなく、音楽そのものを全身で感じる、音楽に乗ることで、ダンスはもっと楽しく気持ち良く踊れるようになります。
音楽を感じて踊る――カウントに頼りすぎない聴き方
音楽を聴いているとき、心の中で「1・2・3…」とカウントしながら踊っていることが多いと思います。
もちろん、踊りはじめの際には、心の中でカウントを音楽に合わせることは大切です。
しかし、一度音楽に乗って踊りを始めたら、音楽の抑揚やメロディーに合わせて踊るようにすると気持ち良く踊れます。
大切なのは、「流れている音楽そのもの」に乗ることです。
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音楽のリズムやメロディー、雰囲気をよく聴き、カウントだけに頼らず、音楽全体に自分の動きを合わせる意識を持ちましょう。
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そうすることで、「なんだか慌ただしい…」「音楽に置いていかれているかも?」といった焦りや不安が自然と和らぎ、よりリラックスして気持ちよく踊れるようになるはずです。
踊り始める前にできる音楽の感じ方
フロアに立つ前から、音楽が流れ始めた瞬間から、もしくは、相手と組む前から音楽を感じることが大切です。
音楽が流れてから組み、踊り始めるまでの時間が、短いカップルが多いと思います。
相手と距離をとってお互いに音楽の雰囲気をしっかりと聞いてから、組み、踊り始めることを意識してみてください。
特に、サンバやワルツ、ルンバなど、パソドブレ以外のすべての種目は、いつもの2倍程度、踊りはじめまでの時間を長くとり音楽をしっかりと聴いてから踊り始めるようにしましょう。
音楽を聴く練習のすすめ――リズム・メロディ・アクセントを意識して聴く
社交ダンスの上達には、音楽の「聴き方」や「理解」を深める練習が効果的です。
つまり、自宅や移動時間に音楽を聴くだけでも、ダンスが上手になるための練習になります。
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曲を聴きながら、テンポや拍子、リズムの強弱、メロディーの流れ、アクセントなどを意識してみましょう。
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イントロ・Aメロ・Bメロ・サビなどを知っている、自分が聴き慣れた音楽で踊ることは、音楽に乗って体を動かす感覚を掴む良い練習になります。
しかし、どんな音楽でも音楽に乗って踊れるようにするために、さまざまな曲を聴いておくことで、音楽を楽しく聞く楽しみを増やし、音楽に乗る感覚も鍛えられると思います。
音楽に乗ることがダンスの本当の楽しさ
社交ダンスは、技術やステップを磨くだけでなく、「音楽に乗って踊る」ことで、ダンスを踊る楽しさ、気持ちよさの魅力が大きくなると思います。
音楽をよく聴き、感じ、楽しむ――それぞれの種目のステップを仮に知らないとしても、何となくその曲に合わせて、身体を揺らしたり、その場で足が動いてしまう、その延長線上の感覚で、社交ダンスを踊るようにしましょう。
細かなテクニックやステップの順番、形にとらわれすぎるのではなく、まずは音楽に乗って心地よく体を動かす。このシンプルな意識こそが、あなたのダンスをもっと自由に、もっと楽しく、そしてもっと気持ちよくしてくれるはずです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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