あなたはどの段階?社交ダンス上達へのロードマップ
社交ダンスを学ぶ過程では、それぞれの段階で学びの内容や改善点が生まれます。
技術レベルが上がるにつれて、意識すべき点や難しく感じるポイントも変化していきます。
今日のブログでは、初心者から上級者まで、それぞれの段階における特徴と、特に多くの方が難しさを感じる「回転」をスムーズにするためのヒントについて、書いていきます。
レベル別に見る学びの特徴
社交ダンスの上達ペースは人それぞれです。練習時間に比例して一直線に進歩するとは限らず、伸び悩む時期もあれば、ある日突然コツを掴んで急成長する時期もあります。
同じステップでも、それぞれご自身のレベルに合わせて、適切な目標設定と練習をすることが大切です。
初心者:まずは先生の言葉を信じて
ダンスを始めたばかりの初心者の方は、まずコーチのアドバイスを素直に聞き入れることが上達しやすいです。
早い段階で「教科書のステップ通りに」「言われたことを忠実に」ということを意識して、基本をしっかりと身につけるといいと思います。
中級者:自分の「踊りたい!」気持ちとのバランス
少し踊れるようになってくると、「もっとこうしたい」「ああしたい」という欲求が強くなってくるのが中級者の特徴です。
しかし、その気持ちが先行しすぎて、学んできたはずの基本がおろそかになってしまうことがあるように感じます。
例えば、ルンバで腰を使いすぎたり、ワルツで正しい姿勢の意識が薄れてしまったり…。
「表現したいこと」と「それを支える基本の技術」とのバランスを取ることが、この段階での大きな課題だと思います。
上級者:原理原則への探求心
さらにステップアップした上級者は、ステップの形だけでなく、「なぜそうなるのか?」という原理や理屈を深く理解しようとします。
身体の使い方、音楽との調和、パートナーとのコネクションなど、より本質的な部分、基礎の動きや、立ち方、視線といったすべての種目に共通する基本への探求心が、さらなる上達へと繋がると思います。
多くのダンサーが悩む「回転」の壁
中級者から上級者にとって社交ダンスの華やかさの一つの目標に、流れるような回転があると思います。
しかし、この回転で苦労されている方は多く、なかなか満足のいく回転ができずに悩んでいる方も多いです。
教科書の「分数」が分かりにくい?
スタンダード(ボールルーム)種目などの教科書には、ステップの回転量が回転、回転といった分数で表記されていることがあります。
これが初心者の方にとっては、具体的なイメージが湧きにくく、難しさの一因となっている場合もあるように感じます。
一方で、中級者以上になると、一つの回転を1/4と1/8と分解した踊りを意識すると踊りやすくなることも多いと思います。
スタンダードとラテン、それぞれの回転
スタンダード種目では、男女が一体となって回転するステップが多く、これが上手くいくと「踊れている!」という実感を得やすいです。
一方、ラテン種目では、男性が女性をシャープに回転させるリードが見せ場の一つとなります。
どちらの種目においても、スムーズな回転はダンスの質を高める重要なポイントです。
真面目な男性ほど陥りやすい「回転のトラウマ」
特に男性リーダーの中には、過去、あるいは普段から上手く女性を回せない経験によって、「回転」に対して苦手意識を持っている方がいらっしゃいます。
教科書通りにと真面目に取り組むあまり、無意識に力が入り、かえって腕や上半身の力だけでパートナーを無理に回そうとしてしまう…そんな悪循環に陥ってしまっているように感じるときもあります。
真面目に教科書通りにやろうとするあまり、力んでしまい、かえって腕や上半身だけでパートナーを無理に回そうとしてしまう…そんな悪循環に陥ってしまうこともあります。
ワルツのような回転が多いダンスだけでなく、あらゆる種目で、男女のポジションチェンジは頻繁にあり、回転や入れ替わりは、上級者になっても理想通りに踊れないことが多いです。
回転をスムーズにする意外なヒント
男女が組んでの回転やラテンに多い男女のポジションチェンジが上手くいかない時、意識を少し変えてみるだけでスムーズになることがあります。
それは、「LOD(Line of Dance:進行方向)に沿って力強く進む」ことを意識することです。
回転そのものに意識を向けすぎるのではなく、まずはフロアを移動するエネルギーを大切にするという意識です。
ステップの種類によっては、この「移動する力」が自然で美しい回転やスムーズな入れ替わりを生み出す原動力となることがあります。
自分と相手やお客様(生徒さん)に合わせた学びとコミュニケーション
これまで書いてきたように、同じステップであっても、レベル(経験や体力)によってできること、目指すこと、そして考えるべきポイントや学ぶべき内容は異なります。
- 自分のレベル(経験)に合わせた学びを: 今の自分に必要なことは何かを理解し、焦らず段階的に技術を習得していくことが重要です。
- 相手のレベルに合わせた配慮を: パートナーのレベルや経験に合わせて、リードやフォローを調整したり、アドバイスの内容を変えたりする心配りが、楽しい踊りになります。
楽しむことを忘れずに、基礎と協調性を大切に
これまでのブログでも何度も書いていますが、社交ダンスで最も大切なのは、楽しむことです。
その上で、以下の点を心に留めておくと、より充実した踊る時間を過ごすことができると思います。
- 基礎技術の正確な理解と反復: 急がば回れ。地道な基礎練習が、将来の美しい踊りへと繋がります。
- パートナーとの協調とコミュニケーション: ダンスは一人ではできません。相手を思いやり、呼吸を合わせようとする優しい意識を持ちましょう。
- 良い状態を保つ自己管理: 心身ともに健やかな状態でレッスンや練習に臨むこと、そしてダンスへのモチベーションを高く保つことも、上達のためには大切です。
ヒロスダンススタジオでは、お客様(生徒さん)が楽しく、そして着実にステップアップできるよう、一人ひとりのレベルや目標に合わせた丁寧なレッスンを心がけています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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