男性の右腕の使い方:「タンゴ」と「それ以外」のリードとコンタクトの違い
社交ダンスのスタンダード種目において、男性の右腕のホールドは、相手との意思疎通を司る大切な部分です。
このホールドには、「タンゴ」と「それ以外の種目」でコンタクトの位置を明確に使い分けるという重要なコツがあります。
「タンゴ」と「それ以外の種目」という2つのホールドの違いをしり、適切な位置で触れ合うことで、男性はリードが伝えやすくなり、女性は安心してステップを踏むことができます。しかし、本当に心地よいダンスのためには、腕の形以上に大切な「リードの源」と「心の持ちよう」があります。
今回の記事では、技術と心の両面から、「タンゴ」と「それ以外の種目」のホールドの在り方について書いていきます。
「右手首」と「右ひじ」を使い分ける。「タンゴ」と「それ以外の種目」のコンタクト位置
まず意識したいのが、種目によるコンタクトポイントの違いです。これを整理するだけで、ダンスの安定感は劇的に変わります。
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ワルツ・スロー・クイック・ヴェニーズ・ブルースの場合 いつものホールドを意識します。男性の「右手首のあたり」を、女性の左腕の付け根(脇の近く)にコンタクトさせます。手首という繊細な部分を通じて、リードの情報を伝えていきます。
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タンゴの場合 タンゴは他の種目よりお互いの距離が近く、深いポジションで踊ります。そのため、男性の「右ひじに近い部分」を女性の腕にコンタクトさせます。ルンバのオープニングアウトのような右ひじ付近のコンタクトをイメージすると、タンゴ特有の力強くシャープな動きを支えやすくなります。
この「手首」か「ひじ付近」かという使い分けが、相手との一体感を生む第一歩となります。
リードは腕ではなく「身体の動き」と「体重移動」から生まれる
ここで一つ、大切な注意点があります。腕のコンタクト位置を正しくセットしたとしても、リードそのものを「腕の力」で生み出してはいけません。
リードの源は、男性自身の身体の軸の動きと、スムーズな体重移動にあります。腕はあくまで、身体から生まれたエネルギーを女性に伝える「伝送路」のような役割です。
腕力に頼った強引なリードは、女性のバランスを崩し、踊りの優雅さを損なう原因になります。
自分の身体が動くから、結果として腕が動き、それが女性に伝わる。この順番を意識することで、無駄な力の抜けた、軽やかなホールドができるという流れを大切にしましょう。
相手を「動かす」のではなく、自発的に動きたくなる「導き」を
さらに深く踏み込むならば、リードとは、相手を力でコントロールするものではありません。
理想的なリードとは、女性が「自ら次の一歩を踏み出したくなる」ような心地よい誘い(導き)であるべきです。男性が女性の自主性を尊重し、「どうぞこちらへ」とエスコートするような気持ちで接すること。その優しさが伝わったとき、二人のダンスは初めて一つに溶け合います。
力で「動かす」のではなく、心で「導く」。この精神的なゆとりが、女性にとっての踊りやすさにつながり、ひいてはカップル全体の美しいシルエットを作り出します。
相手を尊重するダンスが、最高の一歩を生む
スタンダード種目のホールドにおいて、「タンゴ」と「それ以外」の違いを理解することは非常に有効です。しかし、その技術を支えるのは、常に「相手への敬意と思いやり」であってほしいと私は願っています。
正しいコンタクト位置を確認し、身体の芯から動くリードを心掛け、そして何より女性の自主性を大切にする。そんな男性の振る舞いこそが、社交ダンスをより楽しいものにしてくれます。
ヒロスダンススタジオでは、こうした技術のコツだけでなく、踊ることで心が豊かになる瞬間を大切にしています。静岡市清水区で、相手と心を通わせるダンスを一緒に楽しんでみませんか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
