音楽と一つになる喜びを!2025年の振り返りと社交ダンスの「表現力」を磨くコツ

2025年後半のレッスンで気づいた「踊る楽しさ」の変化

2025年もヒロスダンススタジオをご愛顧いただき、本当にありがとうございました。 今年のレッスンを振り返ってみると、特に10月以降、私たちの中で大きな変化がありました。きっかけは、世界選手権でトップダンサーたちの素晴らしい踊りを目の当たりにしたことです。

それまでの「テクニックや知識を増やすこと」ももちろん大切ですが、それ以上に「音楽に乗って踊ること」、そして「自分なりの表現を楽しむこと」をレッスンの主軸に置くようになりました。

レッスンの音楽も、これまでの洋楽だけでなく、皆さんが聞き馴染みのある歌謡曲や、お気に入りのカラオケの曲なども取り入れる工夫をしてみました。知っている曲だと、自然と体がいい感じに動いていたように感じます。

今回のブログでは、少し専門的なお話になるかもしれませんが、ダンスがもっと楽しくなる「表現力」について、私たち(ヒロスとミスズ)なりに分析してみたいと思います。

1. 音楽を感じるための準備体操

表現力豊かに踊るためには、まず音楽と仲良くなることが大切です。

音楽の「作り」を理解する

曲には、イントロ(前奏)、一番盛り上がるサビ、静かな部分など、物語のような構成があります。 「あ、ここから盛り上がるな」「ここは静かになるな」という変化を感じ取って、それを動きに反映させると、踊ることがぐっと楽しくなります。

【ヒロスのコツ】 お気に入りの曲を繰り返し聴いてみましょう。カウント(1, 2, 3…)を数えるだけでなく、「ここは音が大きい」「ここは優しい」といった音の強弱を体で感じてみてください。

リズムと感情を合わせる

音楽にはそれぞれ「色」があります。情熱的な曲、ロマンティックな曲、軽快で楽しい曲。その雰囲気に合わせて、体の使い方を変えてみましょう。 例えば、ルンバなら少し「大人のムード」を出すために、動きを滑らかにしてみるのも素敵です。 同じ「ルンバ」という種目でも、かかっている曲の雰囲気によって、踊り方が少し変わる面白さを感じていただきたいです。

【ヒロスのコツ】 音楽を聴きながら、頭の中で風景や物語をイメージしてみてください。そのイメージを体で表現しようとするだけで、自然と表現力が磨かれていきますよ。

2. 踊りに「抑揚(メリハリ)」をつける工夫

最初から最後まで全力で踊るのも良い運動になりますが、ダンスの魅力を味わうには「抑揚」がポイントです。

自分なりに「見せ場」を作る

すべてのステップを同じ強さで踊るのではなく、あえて強弱をつけてみましょう。 例えばワルツなら、大きく伸び上がる時は気持ちよく大きく、沈み込む時は柔らかく。 一歩一歩のコントラストだけでなく、「この部分は全体的にダイナミックに踊ろう」「この辺りからはちょっと動きを抑えて踊ろう」といった、全体の構成を楽しむのもおすすめです。

【ヒロスのコツ】 「ここは大きく動く!」「ここは静かに」と、自分の中でメリハリをつけてみましょう。全身を伸び縮みさせる感覚や、動き全体の強弱を楽しむと、気持ちよく踊れます。

ホールド(枠)を少し自由にしてみる

社交ダンスといえば、背筋を伸ばした「ホールド」が基本ですが、形を崩さないようにとガチガチに固めてしまうと、せっかくの表現力が半減してしまうことがあります。

実験的に、思っている以上にホールドを少し低くしたり、力を抜いたりしてみてください。そうすることで、体全体を使った表現がしやすくなることを実感できると思います。

【ヒロスのコツ】 形を保つことに必死になりすぎず、音楽に合わせて少しホールドの中に「遊び」を持たせてみてください。リラックスすることで、体全体のストレッチ感が増したり、力が抜けた「踊りやすさ」を味わえると思います。

目線と表情で語る

表現力は、ステップだけでなく、顔の表情や視線にも宿ります。 音楽が盛り上がる部分では遠くを見つめたり、パートナーとしっかりとアイコンタクトを取ったり。それだけで、ダンスが生き生きとしてきます。 種目ごとに表情を変えるだけでなく、同じ種目のいつものステップでも、その時の音楽の雰囲気に合わせた表情が生まれたら、最高に楽しい踊りになります。

【ヒロスのコツ】 笑顔だけでなく、時には真剣な眼差しを使ってみるなど、音楽に合わせて「役者」になったつもりで表情を変えてみましょう。

3. 「緩急」と「間」で大人のダンスを

「上手になったつもり」で楽しむ社交ダンスの醍醐味は、スピードの変化と「静止」の美しさにあります。

スピードの変化(緩急)を楽しむ

音楽のテンポに合わせて、素早く動くところと、ゆったり動くところを、自分なりに使い分けます。 チャチャチャのような速い種目でも、あえてゆっくり見せる部分を作ると、速い動きがより際立ちます。

【ヒロスのコツ】 いつもと同じステップでも、あえてとてもゆっくりな曲で練習してみたり、リズムを速く取る「&(アンド)カウント」を多用したり、逆に長く伸ばしたりしてみてください。新しい発見があるはずです。

「間」を恐れずに使う

ダンスというと動き続けるイメージがありますが、実は「止まること(ポーズ)」がとても重要です。 一瞬動きを止めることで、その前の動きの余韻が残り、見ている人に強い印象を与えます。「間」もダンスの一部です。 間を取った後は、慌てずに次のアクセントが来るのを待ってみましょう。

一小節(ワンカウント分)見送ってから音楽に合わせて踊りを再開する。そんな動きも、ゆとりを持った大人の踊りにつながります。

【ヒロスのコツ】 曲の切れ目などで、思い切って1〜2秒止まってみてください。止まっている間も「私は今、間を表現しているんだ!」という気持ちで、ポーズを楽しんでみましょう。

まとめ:テクニックを超えて、音楽と遊ぼう

たくさんのポイントをお話ししましたが、私が一番お伝えしたいことは一つです。

「その時の曲に合わせて、自分なりの表現を楽しんでほしい」

ということです。 ステップの正確さやテクニックも大切ですが、それは楽しさの一部でしかありません。今回ご紹介したポイントを少しずつ意識することで、カウントや姿勢にとらわれない、「音楽と一体になる喜び」を感じていただけるはずです。

2025年の締めくくり、そして来年に向けて、私たちと一緒に心も体も喜ぶダンスを踊っていきましょう!

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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