フロアを笑顔で満たすために、私たちが一番大切にしていること
社交ダンスのフロアが、ダンサーの皆さんの素敵な笑顔で満たされていること。それが、私たちヒロスダンススタジオが最も大切にしている光景です。
逆に、「カウントを間違えたらどうしよう」「パートナーに迷惑をかけていないか」と、不安そうに踊っている姿を見ることは、私たちにとって、レッスンの場面でも、フリーに踊る際にも、一番避けたい状況です。
社交ダンスは、技術やステップの正確さを競うことだけが目的ではありません。もちろん、技術を磨くことも素晴らしいことですが、その根底には「楽しむ心」があってこそ輝くものです。
今回の記事では、社交ダンスが陥りがちな「正しく踊らなくては」というプレッシャーから少し離れて、音楽と、パートナーとのダンスタイムのひとときを心から楽しむための、私たち(ヒロスとミスズ)の考え方をお伝えします。
「間違えたらどうしよう…」その不安、手放しませんか?
社交ダンス(Social Dance)の「ソーシャル」とは、まさに「社交」を意味します。
技術を披露する場もありますが、私たちヒロスダンススタジオにとって身近な社交ダンスとは、何よりも「コミュニケーション」の場、楽しく踊れる場です。
音楽とパートナーとの対話を楽しみましょう
大切なのは、音楽と、目の前のパートナーとのつながりを楽しむことです。
リードとフォローが上手に伝わったり、時には、違って、照れ笑いしたりしながら、楽しく踊ることです。
種目ごとの細かなカウントやアクセントを気にしすぎるよりも、まずは流れている音楽の「曲調」や「雰囲気」を感じ取ってみてください。「なんだか楽しい曲だな」「ゆったりしていて心地よいな」と感じる、その気持ちを大切に踊っていただきたいのです。
そうすると、自然に踊りやすいカウントやアクセントで踊れると思います。
カウントは「目的」ではなく、楽しむための「手段」
では、「カウントやアクセントは不要か」と問われれば、私たちの答えは「いいえ」です。
私たちが伝えたいのは、カウントやアクセントに合わせることは「目的」ではなく、音楽の雰囲気を一緒に踊る相手と共有し、二人で楽しく踊るための大切な「手段」である、ということです。
なぜカウントは必要? それは「共通言語」だから
社交ダンスの素晴らしい点の一つは、言葉が通じなくても、初めて会った人とも瞬時に踊れることです。
それを可能にしているのが、「カウント」や「ステップ」といった、世界共通の言語(ルール)です。この基礎があるからこそ、二人は安心して音楽に乗り、一緒の時間を楽しむことができます。
ですから、レッスンではまずカウント通りに踊ることを学びます。しかし、それはあくまで第一段階です。
ステップの次へ。音楽を『聴いて』踊る楽しみ
次の段階として目指したいのは、単に「1, 2, 3…」と数を数えるのではなく、音楽を『聴いて』、ご自身の経験に合わせた無理のないステップで踊ることです。
音楽が身体を動かす感覚を目指して
音楽のフレーズ、メロディーの盛り上がり、あるいは静かな部分に合わせて、自分たちが踊れる範囲のステップを選び、タイミングや大きさを変えてみる。
まるで、「流れている曲が、自分たちの振り付け(フィガー)を作ってくれている」かのように感じられる状態です。そんなふうに、音楽の雰囲気が自然と身体を動かしてくれるような踊りを目指していきましょう。
先日の世界選手権での外国選手の踊りは、まるで、その曲に合わせたかのような踊り、音楽性がとても感じられました。競技会用のステップは、決まったフィガーで踊っていると思いますが、踊る曲ごとに踊り方をその音楽に合わせているように感じました。
技術は、ダンスというご馳走を味わう「ナイフとフォーク」
私たちが「カウントやアクセントを気にしすぎるべきではない」と考えるのは、社交ダンスが「技術のためのダンス」「正しく踊るためのダンス」になってしまうことを避け、「楽しさ」を常に中心に置いてほしいと願っているからです。
ダンスの技術やカウントは、音楽という素晴らしい食事を味わうための「ナイフとフォーク」のようなものです。
ナイフとフォークの使い方にばかり気を取られて、目の前にある美味しい料理を楽しまないのは、とてももったいないことですよね。
道具(技術)を学ぶことで、もっと深く味わえる
もちろん、時にはレッスンや練習の時間も大切です。その道具(技術)であるフォークとナイフの使い方を学ぶことで、より深く、より自由に、音楽とダンスというご馳走を味わうことができるようになります。
技術や正確性を意識した踊りも素敵ですが、それ以上に、音楽を心から楽しみ、良い笑顔で踊っている人が、いつもフロアで一番輝いて見えます。
私たちヒロスダンススタジオでも、「楽しく、楽(らく)に踊る」ことを第一に掲げ、そのための大切な道具(テクニック)を、皆さんのペースに合わせて少しずつ増やしていけるようレッスンを進めています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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