さまざまな声掛けで暗記に頼らない上達
通常の社交ダンスは、音楽とリードとフォローを無言の中で感じながら踊ることになります。
無言であるがゆえに、次のステップを考えたり、何を踊ればいいか予想に苦労したり、思うように踊れないこともあります。
ヒロスダンススタジオでは、お客様(生徒さん)が踊っているときに、さまざまな声掛けをすることで、しっかりと踊れるようなレッスンを心掛けています。
カウントを言葉で伝える意味
私たち(ヒロスとミスズ)のレッスンでは、ただ単に「1,2,3」とカウントを数えるのではなく、抑揚をつけたり、言葉を使い分けたりすることで、お客様(生徒さん)の踊りやすさ、表現力を最大限に引き出せるように工夫しています。
例えば、
◆ルンバでは、ステップの種類によって、
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「2 3」
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「4〜1」
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「4〜1&」
とカウントを使い分け、次のステップがリズミカルで踊りやすように声掛けしています。
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「2,3,4,2,3,4」というカウントは、あえて使うことなく、ステップと表現の特徴を捉えた言葉やリズムで伝えるようにしています。
◆チャチャチャでは、
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カウント「1」と「3」を強調する。
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「チャチャ」という言葉のリズムで踊ってもらう。
- 「S S Q Q S」で踊ってもらう。
といったように、ただカウントを数えるだけでなく、言葉の力を借りながら、感覚的に踊れるような工夫をしています。
ステップの名前より、身体の感覚を大切に
ステップの名前を伝えることは、確かに、次のステップへの不安を軽減する上で役に立ちますが、ステップの名前を覚えることに意識を集中しすぎて、体の動きが固くなったり、考えすぎて体が止まってしまったりする場面も、多く見てきました。
そのため、私たちのレッスンでは、ステップの名前を覚えることをさほど、重要だと考えていません。
楽しく踊るためには、むしろ、ステップの名前は、頭の中で「何となくわかっている」状態で音楽の雰囲気の中で動けるようになるといいと思っています。
ステップの名前を暗記するよりも、そのステップの感覚やリズムを、体で覚えることを重視して欲しいからです。
踊っている時、聞こえてくる声の秘密
レッスン中、私たちが生徒さんの踊りを見ながら、様々な声をかけています。
それは、ただ単に、次のステップを指示しているだけではありません。その声掛けには、お客様(生徒さん)の上達を促すための、様々な意図が込められています。
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「PPで!」
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「クローズで!」
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「小さく、弱く!」
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「壁の方に移動しながらステップ!」と、空間の使い方を伝えることもあります。
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「視線を上げて!」
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「遠くを見る!」
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「両目の視線を意識して!」
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「シューズを床から離さないで!」
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「ホールドを低く!」
など、言葉で具体的な指示を与えながら、お客様(生徒さん)自身が踊っているときには、気づきにくいポイントや、改善すべき点を伝えています。
そうすることで、言ってもらえれば踊れる状態を作り、たくさんのステップが上手に踊れるようになると思います。
私たちが大切にしていること:暗記ではなく、感覚を大切にするレッスン
競技会やダンスパーティーでの社交ダンスは、パートナーとの呼吸を合わせ、無言の中で楽しく踊ります。
その上で、私たちのレッスンでは、お客様(生徒さん)自身が、踊りながら、自分自身で気づき、そして、上手に踊れるようになるように声を掛けることを心がけています。
そのため、暗記に頼らず、安心して次のステップに向かうことができ、表現力や感覚に意識を向けることができ、お客様(生徒さん)自身の持っている実力を最大限に引き出すことが重要だと考えています。
これからも、生徒さん一人ひとりの個性を尊重し、暗記に頼らない、より効果的で、楽しいレッスンになるように工夫していきたいと思います。
そして、生徒さん自身が、楽しみながら、上達できるような環境を整えることを心がけていきます。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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