ワルツが“楽しくない”:その踊りづらさ、原因はテクニックだけではないかもしれません

その踊りづらさ、原因はテクニックだけではないかもしれません

「一生懸命レッスンに通っているのに、なぜか心から楽しめない」 「周りの目が気になって、思い切り身体を動かせない」 「ステップを間違えるのが怖くて、いつも緊張してしまう」

ヒロスダンススタジオでも、多くの生徒さんがこのような心の壁に直面します。レッスンや練習を重ね、ステップは覚えたはずなのに、なぜか身体は硬く、表情はこわばり、ワルツの優雅さとは程遠い…。その原因、実は技術的な問題だけではないかもしれません

上手く踊れない根本的な原因は、あなたの「心」や「意識」にあることが多いです。

今回の記事では、小難しいテクニックの話は一旦横に置いておきます。

その代わりに、あなたを縛り付けている心のブレーキを外し、ダンスを始めた頃のような純粋な楽しさを取り戻すための「意識改革」について、私たちヒロスダンススタジオのヒロスがお話しします。

この記事を読み終えた時、きっとあなたの心は軽くなり、次のレッスンが待ち遠しくなっているはずです。

 

あなたを縛る「上手い・下手」という呪縛から抜け出そう

ダンスを始めたばかりの頃を思い出してください。音楽に合わせて身体を動かすだけで、ただただ楽しかったはずです。

しかし、いつからか「もっと上手くならなければ」「周りの人みたいに踊りたい」という気持ちが、いつの間にか「上手く踊らなければ」というプレッシャーに変わっていませんか?

この「上手い・下手」という評価軸は、心から楽しむことを、難しくさせてしまう一番の原因です。

完璧を求めすぎるあまり、身体は緊張し、本来のしなやかな動きが失われてしまいます。

大切なのは、ダンスは「上手に踊りたい」の気持ちの前に、心と身体を解放する「表現」であると思うことです。

上手いか下手か、正しいか間違っているか、という考えから一度自由になってみましょう。まずは音楽を感じ、その心地よさに身を委ねること。それこそが、気持ちよく踊るための第一歩なのです。

 

「他人」という鏡を「昨日の自分」という物差しに持ち替える

スタジオやサークルなどで、流れるように優雅に踊る上級者や、自分より早く上達していく仲間を見て、焦りや劣等感を感じてしまう。それは、とても自然な感情です。

ですが、その感情にずっと心を縛られてしまうのは、とてももったいないことです。

あなたは今、「他人」や「理想」という厳しい目で自分の踊りを評価し、勝手に落ち込んでいるだけかもしれません。

今日から、その視点を「昨日の自分」という正確な物差しに持ち替えましょう。

  • 先月はできなかったステップが、今日は自然に踏めた。

  • 前回より、音楽のカウントが少しだけ長く聴けるようになった。

  • 緊張で強張っていた肩の力が、ほんの少し抜けるようになった。

こんな些細な成長で良いのです。

他人や自分が理想とする踊りと比較するのをやめ、自分自身の小さな進歩を見つけて褒めてあげましょう。

この習慣が、揺るぎない自信を育ててくれます。周りの人も、あなたが思うほどあなたのことを見ていません。彼らもまた、自分自身のダンスに集中しているのですから。

 

失敗は上達のチャンス。恥ずかしさを自信に変える「心の持ち方」

「ステップを間違えたらどうしよう…」 「パートナーに迷惑をかけたら恥ずかしい…」

失敗への恐怖や恥ずかしさは、あなたの身体を縮こまらせる最大の原因です。

動きが小さくなると、余計にぎこちなく見え、バランスも崩しやすくなるという悪循環に陥ってしまいます。

ここで、意識を180度転換してみましょう。「失敗は、ダンスをより楽しくするため、上達するための最高のチャンスである」と。

これは真実です。

私たち(ヒロスとミスズ)でさえ、今でもステップを間違えることはあります。でも、それを深刻に捉えません。「あ、間違えちゃった!」と笑い飛ばすことで、場の空気は和み、次のステップに意識を向けています。

恥ずかしいと感じたら、むしろ意識的に身体を大きく動かしてみるのもいいかもしれません。

胸を張り、腕を広げ、大きなステップを踏んでみる。

良い姿勢と動きの勢いが不安な気持ちを吹き飛ばし、「なんだ、たいしたことないじゃないか」という自信に変わることも多いはずです。

 

心が繋がれば、身体は自然と動き出す

社交ダンスは、一人では踊れません。リードする側も、フォローする側も、お互いへの「思いやり」という心の繋がりが何よりも大切です。

リードが強引になったり、フォローが相手にぶら下がるようになったりするのは、技術的な問題だけでなく、「自分が何とかしなければ」という焦りや、「相手に任せきってしまおう」という依存心など、心の状態が表れていることが多いです。

大切なのは、お互いに完璧を求めないこと

調子がイマイチのときもあります。体のどこかが痛いときもあります。

今の自分、今のパートナーのベストを受け入れ、二人のダンスをその瞬間に楽しむという意識が大切です。

「この人を心地よく踊らせてあげたい」 「この人のリードを感じて、無理せず踊りたい」

そんな温かい気持ちで相手と向き合えた時、言葉やテクニックを超えて、二人の呼吸がぴったりと合う瞬間が生まれます。

すると、不思議なほど心と身体の緊張が和らぐと思います。

 

ダンスを始めた頃の「好き」という気持ちを、もう一度

もし、ダンスが「なんだか楽しくないな」「少しおっくうだな」と感じる時があったら。それは、心が少しお休みを欲しがっているのかもしれませんね。

そんな時は、頑張るのを一度お休みして、ご自身の心を優しくいたわってあげましょう。

  • 好きなワルツの曲を、ただただ聴いてみる。

  • ステップなんて忘れて、音楽に合わせて自由に身体を揺らしてみる。

  • ダンス仲間と、技術論ではなく「どんな曲が好き?」なんておしゃべりをする。

上達や練習といった言葉から離れ、あなたがダンスを始めた頃の純粋な「好き」という気持ちを思い出してみてください。

社交ダンスは、人生を豊かにする素晴らしい運動、趣味です。

技術の向上はもちろん大切ですが、それ以上に「楽しむ心」を忘れないでください。

時には、テクニックや上達といったことから頭を少しだけ離して、「ただ音楽に乗って軽く踊る」「踊ってくれる相手に感謝する」、そんな時間もしっかりと確保しましょう。

そして、あなたの心が解き放たれた時、あなたのワルツは、気分良く、楽しく踊れると思います。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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