なぜか伝わらない…その原因、考えたことありますか?
「良かれと思ってアドバイスしたのに、相手の反応がイマイチ…」「何度も同じ説明をしているのに、なかなか理解してもらえない…」
日常生活や仕事、そして社交ダンスのレッスンにおいても、このようなコミュニケーションのすれ違いは誰にでも起こりうることです。
私たちヒロスとミスズも、スタジオのレッスンで生徒さんにステップや体の使い方をお伝えする中で、言葉で表現することの難しさと奥深さを日々感じています。
言葉でさえ、相手と意図をうまく共有できないのには、様々な理由があります。
同じ言葉を使っても、その言葉がどう伝わり、どう理解されるかは人それぞれです。
この記事では、なぜそのような「理解のズレ」が生まれるのか、そして、そのズレを乗り越えて円滑なコミュニケーションを築くために、社交ダンスを通して学んだヒロス流の考え方をお伝えします。
同じ言葉でも理解が違ってしまう4つの原因
そもそも、なぜ同じ話を聞いても、人によって理解が変わってしまうのでしょうか。その主な原因は、以下の4つにあると思います。
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使われる言葉(用語)の前提知識
人それぞれ、一つの言葉(用語)に対して持っているイメージや知識量が異なるから。 -
伝える・聞くタイミング
相手が他のことに気を取られていたり、疲れていたりするタイミングでは、話の内容が頭に入りにくくなること。 -
話し方や態度
どんなに良い内容でも、高圧的な態度や言い方、自信なさげな口調では、正しく意図が伝わりにくくなること。 -
相手との人間関係
信頼関係が築けている相手からの言葉は素直に受け入れやすいですが、そうでない場合は警戒心だったり、「どんな人かな?」など言葉以外が気になってしまい、内容が正しく伝わらないから。
聞き手の「心と身体の状態」も吸収力を左右する
さらに、伝える側の問題だけでなく、聞き手のコンディションも理解度に大きく影響します。
例えば、その日の体調や気分、話の内容に対する興味の度合い、そして集中力など、様々な要因が絡み合って、言葉の吸収力は変わってきます。
まずは、話す側も聞く側も、「言葉というものは、そもそも人それぞれ違った受け取られ方をするものだ」という前提に立つことが、コミュニケーションの第一歩だと思います。
社交ダンスで特に難しい「感覚」の共有
言葉でさえ伝わりにくいのですから、社交ダンスで求められる「動きの感覚」や「絶妙なタイミング」といった、数字で表しにくい事柄を共有するのは、さらに難易度が高まります。
言葉よりも実際に見てもらう方が分かりやすい場面は多いですが、そこにもまた、見えない壁が存在します。
踊り手の意識と、見る側の想像のズレ
これは社交ダンスのレッスンで頻繁に起こることですが、踊っている本人が意識しているポイントと、それを見ている側が「きっと、ここを意識しているのだろうな」と想像するポイントが、全く違うというケースがよくあります。
例えば、私たちのような指導者が「もっとしなやかに腕を使って」と見本を見せたとします。
生徒さんは腕の動きそのものを真似しようとしますが、実は私たちが本当に伝えたかったのは「肩甲骨から動かすことで生まれる、腕のしなやかさ」だった、というようなズレです。
この「見えている動き」と「その動きを生み出すための内部の意識」の違いが、感覚の共有をより一層難しくしていることも多いと思います。
伝わるのはたったの35%!?コミュニケーションの現実
あるところで、こんな話を目にしたことがあります。
コミュニケーションにおいて、、伝える側が意図したことの70%しか言葉や行動で表現できず、さらに受け取る側はそのうちの50%しか正しく理解できない、というデータがあります。
計算すると、70% × 50% = 35%
。
つまり、伝えたいことの半分以上は、そもそも相手に届いていない可能性があるのです。私たちは、常にそのような不完全な状態でコミュニケーションをとっている、このような事実を知っておくことは、非常に重要です。
日々鍛えたい「伝える力」と「聞く力」
コミュニケーションは、言葉を使っても、行動で示しても、自分が思っている以上に相手と理解を共有できていないものです。
この事実を知れば、「伝わらないのは相手のせいだ」と嘆いたり、「どうせ言っても無駄だ」と諦めたりするのではなく、「どうすればもっと伝わるだろうか?」「相手が本当に言いたいことは何だろうか?」と工夫するようになります。
大切なのは、この「伝わらない」という現実を受け入れた上で、伝え方(表現力)と聞き方(傾聴力・読解力)を日々鍛えていく意識を持つことではないでしょうか。
良い関係を築くためのコミュニケーションの心得
社交ダンスでも、日常生活でも、ビジネスの場面でも、コミュニケーションにおいては、少し慎重になることが、結果的に良い関係を築くことにつながる場合が多いと思います。
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使う言葉を丁寧に選ぶ
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話すタイミング、聞くタイミングを見計らう
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相手との信頼関係を大切に育む
これらのことを常に心がけるだけで、コミュニケーションのすれ違いは格段に減っていくはずです。
私たちヒロスダンススタジオでは、ダンスの技術はもちろん、このような人との関わり方の大切さも、お話するなかでお伝えしていきたいと考えています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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